紙の製造過程で発生する廃棄物の有効利用に向け、愛媛大紙産業イノベーションセンター(四国中央市)が製紙スラッジの焼却灰(PS灰)を固めやすくする独自の処理技術を開発し、地面に敷くブロックを製造した。ブロックは市と共同でこのほど行った市営駐車場(同市三島中央1丁目)の舗装工事に初使用され21日、同所で完成式典があった。
 センターによると、製紙スラッジは市内で年間30万トン以上発生するとみられ、処理費用の抑制や再利用の用途が課題となっている。PS灰はセメントの増量材などとしての利用方法があるが、1割程度混ぜると十分固まらなくなるなど強度に限界があった。
 愛媛大と丸住製紙(同市)が2011年4月から、PS灰の利用方法について共同研究。同大はPS灰自体に凝固機能を持たせる新技術を開発し、ブロックの試作を重ね、耐久性試験でJIS規格を上回る5メガパスカルの強度を確認した。